ヨガインストラクターのレッスン提案書の作り方|対象者・進行・料金の整理
ヨガインストラクターが企業、施設、スタジオへレッスンを提案するときに、対象者、目的、当日の進行、運営分担、安全確認、料金、実施条件を一枚へ整理する方法を解説します。
ヨガインストラクターとして活動を広げると、企業の福利厚生、地域施設の講座、スタジオの特別クラス、少人数の自主開催など、レッスン内容を相手へ説明する場面が増えます。そのとき、自己紹介と「ヨガを開催しませんか」という一文だけでは、担当者は実施の可否を判断できません。
提案先が知りたいのは、誰を対象に、何のために、どの場所で、何分間、どのように進め、担当者側には何を準備してもらい、総額はいくらになるのかです。提案書は自分の魅力を大きく見せる広告ではなく、相手と実施条件を具体化するための共通資料です。
この記事では、一枚から三枚程度の提案書へ、対象者、目的、当日進行、運営分担、安全確認、料金、講師情報を並べる順序を整理します。講師プロフィールそのものはヨガ講師プロフィールと自己紹介文の書き方、個人向けの料金設計はヨガインストラクターの個人レッスン料金の決め方で詳しく確認できます。
提案書は「相手が判断できる情報」を一枚にする
最初に、提案書の役割を決めます。相手が関心を持つこと、会議で比較できること、次の打ち合わせで未定事項を確認できること。この三つができれば、最初から長い事業計画書にする必要はありません。
一枚目には、企画名、対象者、実施目的、所要時間、定員、会場条件、料金、希望時期、連絡先を置きます。二枚目以降を作る場合は、当日進行、講師プロフィール、安全管理、見積条件の補足に使います。提案先の担当者が上司や施設管理者へ転送しても、何を提案しているか分かる順序にします。
「初心者向けヨガ」「心と体を整える時間」だけでは、担当者ごとに想像する内容が変わります。「椅子を使い、着替えなしで参加できる三十分の昼休みクラス」「ヨガマットを使う六十分の少人数クラス」のように、姿勢、持ち物、時間、人数が分かる言葉へ直します。
提案書は合意済みの契約書ではありません。採用が決まった後は、業務内容、実施日、場所、報酬、支払期日、キャンセル時の扱いなどを別途確認します。取引の当事者や形態によってはフリーランス法の対象になります。公正取引委員会のフリーランス法特設サイトは、業務内容、役務提供日、場所、報酬額、支払期日などの明示事項を案内しています。適用関係を自己判断で断定せず、最新の公式情報と個別条件を確認してください。
提案先と参加者を分けて整理する
提案書には二つの読み手がいます。開催を決める担当者と、実際に参加する人です。担当者の目的と参加者の状況が同じとは限りません。企業担当者は昼休みの短い企画を求め、参加者は運動経験や服装、周囲の視線を気にしているかもしれません。
まず提案先について、業種、施設の役割、開催理由、既存イベント、予算決裁者、会場管理者を確認します。ウェブサイトや募集案内で分からないことは、初回連絡で質問します。相手の課題を推測だけで決め、「離職を防げる」「生産性が上がる」と効果を保証する表現は使いません。
次に参加者について、想定人数、年齢層、運動経験、着替えの可否、使用できる床面積、椅子やマットの数、参加方法を確認します。医療情報を提案段階で広く集めるのではなく、実施判断に必要な範囲と、当日の体調確認方法を分けます。
対象者は「社員」「地域住民」だけで終えず、「デスクワーク中心で、ヨガ未経験者を含む任意参加の社員、最大十二名」のように書きます。人数は会場面積、避難経路、講師が観察できる範囲から決めます。少人数クラスの考え方はヨガの少人数クラスは何人が適切かも参考になります。
目的は参加後の行動まで具体化する
目的欄では、身体変化や健康効果を約束しません。「肩こりを治す」「必ず眠れる」といった表現ではなく、レッスン中に参加者が何を体験し、終了後に何を持ち帰れるかを書きます。
例えば、「椅子に座ったまま呼吸とやさしい動きを体験し、勤務中に自分で行う際の中止目安を知る」「マット上で基本姿勢と呼吸を確認し、無理をせず選択肢を選ぶ練習をする」のように、実施内容と行動を結びます。
目的は一つか二つに絞ります。短いレッスンに、柔軟性、筋力、姿勢、集中、交流、セルフケアをすべて入れると、進行も評価も曖昧になります。提案先の希望が多い場合は、今回の必須項目と、次回以降に分ける項目を提示します。
同時に「行わないこと」も明記します。医療診断、治療、個別の症状への判断、無理な姿勢の強制は行わないこと。参加者の状態に応じて休む、見学する、途中退出する選択があることを短く書きます。できることの境界が明確だと、担当者も案内文を作りやすくなります。
当日の進行を五分単位で見えるようにする
担当者は、レッスン内容だけでなく、受付から退出までの時間を知る必要があります。開始前の入室、体調確認、説明、実技、休憩、振り返り、片付けを含め、会場を占有する時間を示します。
六十分クラスなら、開始前十分で受付と設営、冒頭五分で参加方法と中止基準、実技四十分、振り返り五分、終了後十分で質問と撤収、というように区切ります。これは固定の正解ではなく、提案先と調整するためのたたき台です。
進行表には、姿勢名を細かく並べるより、導入、呼吸、ウォームアップ、主な動き、クールダウン、振り返りという役割を書きます。参加者の状態で内容を変更する可能性も記します。六十分クラスの安全な考え方は60分ヨガレッスンの安全な組み立て方で確認できます。
オンラインやハイブリッドなら、入室方法、カメラと音声、録画の有無、接続不良時の連絡先を追加します。録画しない場合も明記します。録画する場合は、誰が映り、誰が閲覧し、いつ削除するのかを提案段階から分けて確認します。
会場・備品・運営分担を曖昧にしない
提案書には、講師が用意するものと、提案先に用意してもらうものを分けます。マット、椅子、音響、延長コード、受付名簿、消毒用品、救急用品、空調、照明、荷物置き場、着替え場所などを一覧にします。
会場条件は「広い部屋」ではなく、定員に対する床面積、床材、柱や段差、換気、温度調整、電源、音量制限、避難経路を確認します。講師が事前に下見するのか、写真や図面で確認するのかも書きます。外部会場を使う場合はレンタルスタジオを借りる前の確認項目も使えます。
運営分担では、募集、申込、参加者への連絡、同意確認、当日受付、遅刻者対応、写真撮影、問い合わせ、事故時の連絡、終了後アンケートを誰が担当するかを表にします。「先方対応」とまとめず、担当部署や連絡先を打ち合わせで確定します。
写真や動画を広報に使う場合は、レッスン参加への同意と撮影・公開への同意を分けます。撮影に同意しない人が参加しづらくならない配置も決めます。提案書に「広報撮影あり」と書くだけで、個別の同意確認が終わったことにはなりません。
安全確認と中止条件を提案段階で示す
安全管理は当日だけの仕事ではありません。提案書には、参加方法、事前案内、体調確認、途中休憩、緊急連絡、開催中止の判断方法を含めます。特定の病気を一律に参加不可とするのではなく、主催者の規程や専門職の判断が必要な場面を切り分けます。
参加者には、痛みや強い違和感があるときは中止すること、見学や休憩を選べること、治療の代替ではないことを案内します。講師は診断をせず、個別相談で業務範囲を超える質問を受けたときの案内先を決めます。
緊急時は、施設の住所、AEDと救急用品の場所、119番通報や館内連絡の担当、参加者の緊急連絡情報を誰が管理するかを確認します。ヨガレッスン中の体調不良対応にある中止判断、連絡、記録の分担も、提案先と事前に照合してください。
屋外開催なら、雨、強風、高温、低温、地面状態、避難場所について、中止や延期を判断する時刻と連絡方法を決めます。「当日の様子で決める」だけでは、参加者と担当者が待つことになります。判断者と締切時刻を一行で書きます。
料金は総額・含む範囲・追加条件で示す
料金欄は「一回三万円」だけでは不十分です。レッスン時間、事前打ち合わせ、会場下見、資料作成、移動、交通費、備品、当日準備、終了後報告のうち、どこまでが含まれるかを書きます。
見積もりは、基本料金、人数や時間による追加、交通費、会場費、備品費、消費税の扱いを分けます。参加人数が未定なら、適用範囲と確定期限を示します。無料の体験提案を行う場合も、時間、対象、次回以降の条件を曖昧にしません。
キャンセル条件は、主催者都合、講師都合、天候、施設閉鎖、最低催行人数未達を分けます。日程変更が可能な期限、キャンセル料、実費の扱いを、採用後の契約で確定する前提で提案書にも概要を置きます。
提案書の料金と契約書や請求書の金額が変わる場合は、変更理由と新しい条件を書面で共有します。担当者との口頭合意だけにせず、どの版が最新か分かるファイル名と日付を付けます。
講師情報は企画との関係が分かる範囲に絞る
プロフィール欄へ資格名や経歴をすべて並べる必要はありません。今回の対象者、形式、会場に関係する経験を優先します。初心者向けの椅子ヨガなら、初心者クラスや椅子を使った指導経験、企業向けなら時間制約のあるクラス運営経験などです。
資格や修了歴は正式名称と取得・修了主体を確認し、資格があるだけで特定の効果や対応能力が保証されるように書きません。現在提供していない専門クラスを、対応できるメニューとして掲載しないことも重要です。
実績は件数だけでなく、対象、形式、担当範囲を短く示します。ただし、過去の参加者名、企業名、写真、感想を許可なく使いません。匿名化しても個人が推測できる事例は避けます。
連絡先は、提案について返信できる窓口を一つにします。個人SNS、メール、申込フォームが複数ある場合でも、「本提案の連絡先」を指定し、返信希望日を添えます。
送付前に未定事項と確認期限を残す
完成した提案書は、魅力的な文章かどうかだけでなく、未定事項が見えるかを確認します。会場、人数、実施日、備品、料金、撮影、緊急連絡、キャンセルのうち、決まっていないものに「要相談」と期限を付けます。
送付メールには、提案の要点、相手に確認してほしい項目、候補日時、返信希望日を書きます。大容量の画像や複数版を送りつけず、ファイル名に企画名と作成日を入れます。個人情報や参加者名簿は提案書へ添付しません。
打ち合わせ後は、誰が何をいつまでに確認するかを記録します。提案が採用されたら、提案書をそのまま契約書と見なさず、確定した業務内容、日時、場所、報酬、支払期日、キャンセル、権利関係を別途書面でそろえます。
修正版を送るときは、古いファイルへ上書きするだけでなく、変更日と版番号を付けます。本文の冒頭か送付メールに、「定員を十名から八名へ変更」「開始時刻を十五分繰り下げ」「交通費を実費へ変更」のように差分を列挙します。担当者が古い添付を会場担当へ転送しても、どの条件が有効か確認できるようにします。
採用、保留、見送りの連絡を受けたら、次の行動を分けます。採用なら契約条件と当日担当者を確定し、保留なら未決事項と再確認日を決めます。見送りなら、予算、時期、対象者、会場条件のどこが合わなかったか、答えられる範囲で確認します。見送り理由を相手へ迫ったり、値下げだけで再提案したりせず、次に同じ提案を使う条件を整理します。
実施後は、参加者の個人情報や身体変化ではなく、申込人数、当日参加人数、開始・終了時刻、進行変更、運営上の課題、次回確認事項を短く報告します。提案時の目的に対して何を実施したかを示し、満足度だけで成功を断定しません。次回提案へ引き継ぐのは、会場配置や受付時間など再現できる運営情報です。
提案書、確定条件、当日進行表、終了後報告は、用途ごとに分けて保管します。参加者名簿や体調情報と同じフォルダへ置かず、閲覧者と保管期間を決めます。営業資料として再利用する場合も、企業名、担当者名、参加者情報を残したまま複製しないよう、空のひな型を別に作ります。
提案書の価値は、きれいなデザインより、実施前の認識違いを減らせることにあります。対象者、目的、進行、分担、安全、料金を具体化し、分からない点は分からないまま明示する。その資料が、講師と提案先が同じレッスンを想像するための出発点になります。
指導の基礎、クラス設計、伝え方を体系的に学ぶ段階の方は、OREOのRYT200講座、説明会案内、受講生・卒業生の声で、現在の提供内容と受講条件を確認できます。提案を作る際は、提案先の規程、契約条件、最新の公式情報を優先してください。
FAQ
よくある質問
ヨガレッスンの提案書は何枚にまとめればよいですか?
初回提案は一枚から三枚程度で、企画名、対象者、目的、時間、定員、会場条件、進行、運営分担、料金、講師情報を判断できる範囲にまとめます。詳細は打ち合わせ用の補足へ分けます。
提案書と契約書は同じものですか?
同じではありません。提案書は実施可否を検討する資料です。採用後は、確定した業務内容、日時、場所、報酬、支払期日、キャンセル条件などを別途書面で確認します。
ヨガレッスンの効果は提案書にどう書けばよいですか?
治療や身体変化を保証せず、レッスンで体験する内容と参加後に自分で選べる行動を書きます。対象者、実施条件、行わないことも併記します。
料金欄にはレッスン料だけ書けばよいですか?
事前打ち合わせ、下見、資料、移動、交通費、備品、当日準備、終了後報告のうち何が含まれるかを示します。追加料金とキャンセル条件の概要も分けます。
企業や施設へ送る前に最低限何を確認しますか?
対象者、人数、会場、実施日、進行、備品、受付と緊急時の担当、撮影、料金、キャンセル、未定事項の確認期限を見直します。採用後に契約条件を改めて確定します。
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