ヨガの哲学と聞くと難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ヨガの考え方は現代の生活でも活かせるものが多いです。
ヨガインストラクターとなると、ヨガをライフスタイルに取り入れる方がほとんど。ヨガの八支則を少しづつ実践しています。
今回は、ヨガインストラクターやヨギー・ヨギーニたちがおすすめする「ヨガの哲学」についてご紹介します。
ヨガを生活に取り入れたいとヨガの哲学を学び始める方も少なくありません。ヨガの哲学が生まれたのは、はるか昔。紀元前4500〜5000年前に生まれたと言われています。
そんな昔の考え方が現代にまで伝わっているのがヨガのすごいところ。ヨガの八支則が現代に伝わったのは、ヨガの哲学書「ヨガスートラ」がまとめられたからに他なりません。
ヨガスートラとは、2〜6世紀頃にまとめられたヨガ最古の書物です。それまでは口伝のみで伝えられてきたヨガの教えや伝承を本にまとめたもの。
ヨガスートラは世界中の言葉に翻訳され、現代にも広がっているのです。もちろん日本語にも訳されています。
ヨガをする人々が大切に伝えてきた教え。ヨガをするなら一度は触れてみてほしい一冊です。
パタンジャリ(Patanjali)氏は、ヨガスートラをまとめた方で、ヨガの普及に努めた人物としてインドでも有名な人物です。
しかし、その出生などは明らかになっておらず、ヨガスートラの書かれた時期も曖昧。ときには神の化身として崇められていることもあるのだとか。
ヨガの教えを普段の生活に活かすような内容が書かれている「ヨガスートラ」。難しい教えも普段の生活に落とし込むことで広げてきたのでしょう。そのおかげで、時代ごとに取り入れやすかったのではないでしょうか。
パタンジャリ氏が残してくれた「ヨガスートラ」がなければ、ヨガがここまで世界に広がっていなかったかもしれません。
アシュタンガヨガのアシュタンガは、8つの枝という意味です。八支則を実践するヨガの教えのことを指し示します。※現代に伝わるアシュタンガヨガ流派とは別のものです。
八支則(アシュタンガヨガ)では、自分自身の心に振り回されず、穏やかに楽しく過ごす方法が示されており、自分自信を見つめ心を平穏に保つための考え方や、瞑想・呼吸法などの修行法が紹介されているのです。
ヨガの魅力はまさのヨガスートラにあると言っても過言ではないでしょう。
ヨガスートラをご紹介する前に、まずはヨガの由来についてご紹介します。
ヨガの語源は、「ユジュ(つながり)」。現代のヨガは、心・身体はつながっており、自信を見つめ心と身体を調和させるよう考えられています。
ヨガスートラを基本とし、現代のヨガは発展していきました。心に振り回されることなく健やかに過ごして行けるよう、現代の生活にそうようにヨガも変わってきています。
もちろん変化をしつつも、ヨガの基本となる考えは失われていません。
時代に合う教えに変わってきたからこそ、何千年というもの間、ヨガは人々に伝えられてきているのかもしれませんね。
それでは、八支則(アシュタンガヨガ )について、詳しくみていきましょう。
アーサナやプラーナヤーマなどヨガの実践方法も書かれています。まずは、生活の知恵ともなるヤマ・ニヤマから順にみていきましょう。
ヤマ・ニヤマは、自分自身を見つめなおすために日々の生活でしてはいけないこと・すると良いことが書かれています。
心に振り回され、急に不安を感じてしまったり、怒っている自分自身を止められなかったりすることってありますよね。そんな状況を制御していこうという教えです。
ヤマ・ニヤマはそれぞれ5つの教えに別れています。
アヒムサ(非暴力)・サティヤ(正直)・アステーヤ(不盗):基本的には他の人が嫌な思いをしないよう行動しようという考えです。自分がやられて嫌なことは人にはしないことが大切です。
なんとなくの言葉や嘘をつくことが、相手を傷つけてしまう場合もあります。日頃から気にかけることで人との交流を円滑にすることができるでしょう。
ブラーマチャリヤ(梵行)・アパリグラハ(不貪):自身の欲に踊らされないようにすることが大事だと伝えられています。自分が行いたいがために他人を無視したり、出し抜いたりすれば、孤立してしまうかもしれません。
ヤマは、私たち現代の生活でも活かすことができる教えです。自分自身に当てはめて考えてみると面白いかもしれませんね。
すると良いことが示されている「ニヤマ」。実際に実践しているものもあるかもしれません。
例えば、シャウチャは環境をきれいに保つこと。部屋を掃除したり模様替えしたりとすることは、気持ちよく感じますよね。
サントーシャは、今の現状に感謝し、満足していることを再確認します。あれもこれも欲しがっていては、自分自身も振り回されてしまうからです。
タパス・スワディヤーヤは、試練を受けいれ鍛錬することや向上心をもち本などを読むことなどをしようと書かれています。目標に向かって頑張っている人は行っていることではないでしょうか?
最後のイシュワラプラニダーナは、自然や環境、人々に感謝をしながら生きていこうという考え。正月にお参りにいくことに近いと言えるかもしれませんね。
アーサナ・プラーナヤーマは、ヨガの実践をしている人には馴染み深い言葉でしょう。ヨガの実践や呼吸法について紹介されています。
プラーティヤハーラは、五感について考え制御することが目的です。
ダーラナー は、心を集中すること。次のディヤーナ=瞑想をするために必要です。
サマーディは悟りを開いた状態を示します。サマーディへと目指すために日々ヨガの修練をしていくのが昔から伝わるヨガ本来の目的です。
現代のヨガでは、サマーディを開くのを目的としていることは少ないです。ヨガの知恵を生かしながら良い日常を過ごそうというのが現代のヨガと言えるでしょう。
難しく考えずに、まずはヨガスートラを読んでみるだけでも良いのです。本を手に取れば、ヨガの始まり。ヨガの哲学は、経験に基づくことで習得することができます。
例えば、何をしてもネガティブな考えばかりが浮かんでくるときありませんか?
なぜ自分がそのような考えに囚われてしまうのか、考えてみようというのがヨガ哲学の第一歩です。自分の本質を見つけ、心に振り回されないよう過ごすのが以下に難しいのかがわかります。
ヨギー・ヨギーニは、そんな自分を見つめている人たちなのです。
見つめたからといって、すぐにその通りにできるようになることはありません。日々修行。良い日々を過ごすためにヨガの哲学を心に留めて、自分自身を大切にして過ごしていきたいですね。
ヨガインストラクターの全てがヨガ哲学に精通している訳ではありません。実際に過ごしながら、経験しながらヨガ哲学を噛み砕いています。
ヨガを伝える側になるなら、ヨガの哲学を学ぶことは必須。「全米ヨガアライアンス」では、基礎的なことを学ぶことができます。加えて、身近な先生がどのように接しているのかを知る機会にもなるのです。
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